title02.jpg

ぶらりごろりぱくり

ある朝ふと気がつくと貝が転がっていることがある。

20170511_003.jpg

これはサカマキガイという繁殖力旺盛な淡水に住む貝だ。
大きさは1センチか大きくても2センチ。
こいつがどこに転がっているかというとこの水を張った小さな火鉢の横。

20170511_001.jpg

サカマキガイは動きが活発で火鉢の内側を伝って歩き回り、
水面を泳ぐようにひっくり返りながら浮いていることもある。
とにかくなんでも食ってどんどん増える。

この鉢はネコたちの水飲み場にもなっているから僕は常に水を縁一杯まで
満たしておくのだが、そのせいで貝は水面から火鉢の縁を楽々と越えて
転げ落ちてしまうのだろう。
いや、もしかすると自ら望んで外の世界へ逃げ出してしまうのかも知れん。

でも無残かな、外の世界には彼らが生きるのに必要な水がない。
火鉢から落ちた貝は戻るに戻れず干乾しになって事切れるんだろう。
干上がっていく苦しみの中でサカマキガイは後悔するんだろうか?
あんなに狭くて変化のない火鉢の中にあったシアワセを思いながら、
ああ、外の世界を望んだオレが馬鹿だったなあと悔やみながら死ぬんだろうか。

20170511_041.jpg

サカマキガイも、ネコも、人間も、営みに大した違いはないと僕は思う。
分相応。欲張らず、見栄を張らず、生きよう。

Judy Collins - Send In The Clowns




SKIN:Babyish-