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ぶらりごろりぱくり

小学校四年生の時に書かされた作文のお題目は「大きくなったらなりたいもの」
僕がなりたかったのはカー・レーサー。
大きくなったらカー・レーサーになって、モナコ・グランプリとインディ500マイルと
ル・マン24時間レースに優勝し、その賞金で翌年まで遊んで暮らすと書いた。
いかにも体育会系な担任の島津先生は三者面談で親にこう言った。
レーサーになりたいという夢は素晴らしいです。
でも賞金で遊んで暮らすのはいけないですね。子供らしくない考えです (T_T)

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https://simplypetrol.com

唐突だけれど僕が一番好きなレーシング・ドライバーはセナでもマンセルでも
マリオ・アンドレッティでもジル・ヴィルヌーヴでもなくグラハム・ヒル。
そして僕が一番思い入れのあるF1マシンはロータス49Bで、
僕が一番愛するカーデザイナーは49Bを生み出したコーリン・チャップマンその人だ。
その理由は1968年にフォーミュラー1選手権を制覇したチャップマン率いるチームロータスの
49Bと、それを駆ったグラハム・ヒルが僕の出発点になっているからに他ならない。
そして1969年の作文に、僕は将来レーシング・ドライバーになりたいと書いた。

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http://bright-cars.com/

モータスポーツの長い歴史の中で、インディ500とモナコGPと
ル・マン24Hを全て制したドライバーはグラハム・ヒル一人しかいない。
歴史の中でも、僕の中でも、グラハム・ヒルは特別なオンリー・ワンだ。

さて今週末はインディ500とモナコ・グランプリ。
半世紀の間にモータースポーツを取り巻く環境は大きく変わり、
利権の絡んだルールは増々理不尽で理解し難いものになり、
環境と省エネルギーに侵されたマシンは奇怪で醜い姿になった。
来年からF1は屋根付きになるとか訳が分からん。
命を懸けたマンスポーツだから人々は熱狂したんじゃないのか?

今やかつての革巻き小径ステアリングはゲームコントローラーへと形を変え、
ドライバーは無線で送られる指示通りにスイッチを操作する。
それなら誰が乗っても同じじゃないか! というなかれ、
何年かすればモータースポーツはドライバー不在の自動運転になるかも知れない。
誰も怪我をしない、誰も死なない安寧な世界。
企業の技術競争ならサーキットじゃなくて試験コースでやればいい。




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