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ぶらりごろりぱくり

桜満開の予感。

ちょうど二年前の三月初め、
血眼になって引っ越し先を探していた僕はこんな一文を書いている。
あこがれの
そうなのだ。僕は昔から春には桜に囲まれ、夏は青葉に、秋は色づく木々に
埋もれたような木造校舎然とした家に住みたかったんだ。

二年前、別府の山の中腹に建つ風情溢れる家をタッチの差で買い逃した。
僕は今でもたまに、あんな売家は滅多に出ないよなあと思い返すことがある。
それは「鶴見の里」という元保養所で、くねくねと山道を登ったどん突きに建っている
小さな小さな山奥の幼稚園みたいな家だった。
今はもう誰かが住んでいるんだろうが広い庭の周りを桜の木が囲み、
足元に広がる視界に目障りな高層建築は一つもなく別府湾まで見渡せる。
春にはきっと家の窓に桜が溢れているんだろうなあ。
グーグルのストリートビューで見てもその風情は分かると思う。

あの家を買い逃した時、僕は相当に落ち込んでしまったが、
カミさんは「これもまた天の思し召し」と気にも留めていない様子だった。
結局、別府にある鶴見の里を買い逃したから巡り巡って伊豆に来たわけで、
運命というものはそうやって自己修正的に落としどころを探るものなんだな。
そして今夜思うのは、
やっぱりあの家を買い逃したのは天の思し召しだったのか知れん。

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濃茶の羽目板とたくさんの窓がある外観。
大きな屋根と錆びた手すりのある階段。
春を告げる桜の木と、分校の校庭のように雑草が生える庭。
写真家たちは過疎の町に残る木造校舎を探して出かけていく。
なぜかといえば、そこには郷愁という非日常が閉じ込められているから。
僕はきっと、そういう非日常の中で暮らしてみたかったのだと思う。

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家の中から蛍光灯の白い光を追い出して、
ネコたちを包むのはランプのような白熱灯の柔らかな橙色。

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うちのカミさんは村下孝蔵を「キモい」とか言うんだがww
僕は彼の歌が結構好きだったりする。
鉄筋コンクリートの校舎しか知らない僕の憧れ。
村下孝蔵 - 初恋




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