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ぶらりごろりぱくり

秋や冬が大好き、という気持ちは変わらないものの、
正直言うと歳を重ねる毎にだんだん寒さ暑さが堪えるようになった。
それでも冷え込んだ朝に淹れるその日一番初めのコーヒーは、
寒ければ寒いほど腹と心に染み入るおいしさだと僕は思う。
神々しく晴れていても、気が滅入るような曇りでも、しんと静まり返った雪の朝でも、
雨でない限りは窓を開けて冷気の中へ湯気の立つカップを差し出してみる。
夏じゃこんな楽しみは味わえない。

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この頃はずいぶん日の出も早くなった。
一杯目にはまだ真っ暗闇でも、二杯目はもうすっかり夜が明けている。
僕には高級なコーヒーの味なんて分からないよ。
よっぽどまずい出涸らしじゃない限りは文句なんか言わずにいただく。
スターバックスとか、ナントカとか、そういう今時のもよく知らない。行ったことがない。
だけどどんなに高級な豆よりも、だけどどんなにお洒落な店よりも、
沈丁花が香る寒空の下でズズズッとすする熱い一口目の方が美味いと思うぞ。
都会の喧騒は遥かいずこの空の下。
ほー、ほけきょ。ほー、ほけきょ。
耳障りな音楽の代わりに、この頃歌うのが上手になった鶯の声。

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今朝は真冬の寒さだった大室山の麓。
吹き降ろす風は天城の冷気と山焼きの灰を運んで来る。
枝垂桜の蕾もちょっとだけ膨らんできた。
寒の戻りでネコたちが火を囲む。僕もカップを置いて手をかざす。

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ご近所さんから自家製の春菊と大根を貰ったんで、
安いキノコを数種類と半生のほうとうを買ってきた。
明日はもっと寒いらしいから、
天下茶屋を思いながらほうとうでも煮て食おう。




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