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ぶらりごろりぱくり

机の上に庭で獲れたミカンがのっている。
もう十日ぐらいは置きっ放しになっていると思う。

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どこかの観光地で売っている温泉饅頭ぐらいの小さなミカン。
皮を剥くと中の袋は厚くて噛み切れない時がある。
そこそこ甘いんだけれど、いわゆる温州ミカンのくせに種がある。
実が小さい上に袋の皮が厚くて種が多いから喰い辛い事この上ない。
だから十日余りも机の上で時を貪っている。

小さいのは手入れをしないから発育不良なんだろう。
しかし種があるのが解せないと思っていたら、
なんでも近くに他の柑橘類があると種を作るようになるんだらしい。
つまり子孫を残して自然淘汰を勝ち抜く為の本能なのだな。

競るという状況。あるいは競る相手との共存。
本来僕たちはそういうものの中で生きている筈だ。
競る相手がいなくなった時。
競る必要がなくなった時。
人はそれを安泰とか隠居とか呼ぶんだろうか?
甘く、種もなく、口の中に残らない薄い皮の大きな実をつけるミカンは、
競る事を忘れた堕落の結果なのかも知れないと僕は思ったりする。
何が言いたいかというと、
僕はまだ競る事を諦めていないってことだ。




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