title02.jpg

ぶらりごろりぱくり

今日のお昼は夏休みらしく縁台でお弁当。

20150815_065.jpg

市民には馴染みの深い「祇園」という駅弁屋が伊東にはある。
伊東駅のホームにはでかでかと「お弁当 そば、うどん」と書かれた昭和な店があって、
そこは立ち喰いソバと弁当屋が合体した祇園伊東駅店。
なんでも1959年に国鉄伊東駅で売り出されたいなり寿司が伊東駅初の駅弁なんだそうで、
その名も風情と風格を秘めた祇園寿司。いいねえ、いかにも歴史が染み込んでる名だ。

祇園の本店は伊東の隣駅南伊東にある。
そこは昭和24年から26年にかけて安吾が伊東に住んでいた家のすぐ近くなんだわ。
松川中流の音無川。安吾の家はその川沿いに建つオンボロの一軒家だったらしいが、
今はもう跡形もなく壊されて今時風な家が涼しい顔で佇んでいる。
けれど都会と違って町の様子が大きく変わっているとは思えないから、
44歳の坂口安吾が見た山や空や川の景色は今も健在なんだろう。
昨年まで住んでいた大分にも別府という昭和臭さ炸裂の町があったけれど、
伊東は別府よりももっとこじんまりとまとまった趣の田舎町。
数日の観光旅行じゃ気づかない味わいがあったりするのだ (´・_・`)

祇園の本店から川沿いの道を上流に向かって進むと競輪場がある。
安吾があの競輪事件に巻き込まれる事になった伊東競輪場。
たぶん、そこいらから見上げる山の稜線は昭和24年そのまんまだろうと思う。
ああ、オレってなかなかイイ所に住んでんじゃん?
みたいな満足を味わいながら、音無川沿いを弁当抱えて帰って来た。
伊東という土地は下卑た熱海と違って実に朴訥とした風情があります。
日々の中に風情を味わう心の余裕、みたいなものは忘れずにいたいよな。

20150815_062.jpg

往く夏の風情を儚んで南部風鈴を買ってみた。
カナカナカナと桜の木にしがみつくヒグラシ。
チンチロリンと岩手水沢南部鉄の風鈴。
夕焼け雲を水面に映す小さな小さなメダカ鉢。
猫にはいつも新鮮な水をと識者の人々はしたり顔で説くが、
いつも彼らが飲むのはメダカ鉢の生臭い水。
天から盆の送り火は見えているか?

20150815_053.jpg

あなたへの愛 - 沢田研二、田中裕子




SKIN:Babyish-