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ぶらりごろりぱくり

一昨日の事だが我が家のちーが生まれたばかりの子猫をくわえて来た。

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たぶん生後数日。もちろん眼も開いていないし暑さのせいか辛うじて息をしている状態。
どこから連れて来たのか分からんが人間の手で育てられるんか?
ちー、お前女なんだから育ててみろ。という今後の処遇はともかく命を繋ぐために、
以前ウシオの玉取り手術でお世話になった優しい先生の病院へ猛ダッシュで連れて行く。
あらかじめ電話しておいたので休診日にもかかわらず先生と奥さん、それに手伝いの
若い女助手さんまで白衣を着込んで待ち構えていた。
真剣な顔でしばらくAmazonの小さなボール箱を覗き込んでいた先生が顔を上げて一言。
「これ、ネコじゃないですね」 (´・_・`)

おれ「ネコじゃないとするとなんでしょうか?」
先生「・・・・・・・・」
奥様「・・・・・・・・」
助手「・・・・・・・・」
おれ「なんとなくネコじゃない可能性もあるなとは思ったんですが」
先生「うー・・・・・」
奥様「むー・・・・・」
おれ「ぶー・・・・・」
助手「あっ、ハクビシンじゃないですか?」
先生が小さな口を開いて歯を確かめている。
「いやハクビシンじゃなく、これモグラですね。歯の特徴がモグラです」

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なるほど。
可愛い助手さんがスマホを駆使して写真検索すると確かにモグラの赤ちゃんらしい。
一体なんでまた土の中にいるはずのモグラBabyをネコがくわえて来るのだ?
しかしモグラだと判明した途端、瀕死の個体を前に生存を切望していた4人の間に、
「そんじゃあ、まあイイか」みたいな無責任極まる安堵感が漏れたのは事実だ。
わたくしが日頃から口にしている動物愛護の胡散臭い本質がここにある。

僕は家に入り込んでオシッコしまくる野良猫に去勢手術をして再び辺りへ放したが、
庭を掘り返すモグラ一家は執拗な排気ガス攻撃で殲滅に追い込んだ。
野良で生まれた子猫ならなんとしても救い出そうと努力するのに、
野生のモグラなら「まあイイか」と安堵するのは人間の理不尽な傲慢に他ならない。
ともかく野生種なら野に返すということで一件落着。
野生動物の治療費は基本的に頂いていませんと頭の下がる休日無料診療。
あの先生ホント頼りになるなあ。

或る夏の暑い一日。
草の生い茂る庭の片隅で対峙したモグラはネコを恨めしそうに見上げながら言うだろう。
「お前らはいいよな」「オレもネコに生まれたかったよ」
干支には入れてもらえなかったネコたちだが、
その代りにこの星の上で人間に愛されるという特権を手に入れたんだから。




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