title02.jpg

ぶらりごろりぱくり

HondaのCBR954RRというなんだか尖がったバイクに乗って、
天気がイマイチの週末に友達が遊びに来てくれた。
伊東にある宿が大層気に入ったらしいから本当は僕と会う為に来たのではなく、
あの宿の風情満点な縁側でビールを飲みたかっただけなのかも知れない。

それでも一人でひっそりと涼風を感じながら麦酒を傾けたいのなら、
わざわざ僕を誘いはしないだろうと思う。
つまり僕は彼の休日を邪魔する存在ではないという事なんだろうなあ。
この世界で誰かから煙たがられるような存在になるのは悲しいことだ。

僕は少しでも可能性の残された事に関しては安易な言葉を慎むようにしている。
けれどその慎重さを差し引いても僕が大きなバイクに乗る事は二度とないだろうと思う。
それはよく考えた末に辿り着いた一つの答なのであって、
そこには月並みな無念だとか悔しさみたいなものは微塵もない。
ただ、こんな不安定な天気の週末に、あんな尖がったバイクに乗って出かけて来る
彼の、遊びに対する気力みたいなものが僕には羨ましかっただけだ。

20150614_214.jpg

だけど僕も数十年振りで嬉しい玩具を手に入れた。
31年ぶり、3台目の2シーターオープン。
楽しみがあれば、人は明日も生きていようと望むものだ。




SKIN:Babyish-