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ぶらりごろりぱくり

引っ越して来て半年。
今年の初めから進めていたリフォームみたいなものが一段落して、
ようやく自分の部屋らしきものを設えようとしている。
大分から持って来たまま積み上げてあった段ボールを一つずつ開きながら、
そのガムテープの劣化振りに色々と感極まる気がした。
どれもこれも4年前に東京で封じたまま、大分では開ける事のなかった箱だ。
テープを剥がすと硬化した接着剤が細かな砂粒みたいに落ちる。
大分の山奥で拾った6匹のネコたちが爪を研いだせいで、
どの箱も無残な姿に変わり果てている。

靴を脱ぐ場所。腰を下ろす場所。背にしていたリュックを枕にして横になる場所。
たまたま宿にあリつけなかった野宿の一夜でさえ、
旅人達は駅の隅や公園の木の陰に居心地の良い寝床を探すものだ。
あらゆる意味での安心や安堵が約束されない場所では、
たとえ布団や風呂が用意されていても心休まる事はないと僕は思う。
だから僕が荷を解く気になったのは、多分ここが腰を下ろす場所だったからだろう。

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この4年間、いつでもこいつが傍にいた。
押入れを開けたり、物置を覗いたりすると、
いつでもこの馬鹿面をしたパンダがにっこり笑っていやがった。
おいパンダ。お前に罪はないが俺はお前がキライだよ。
だからもう二度とオレの前にその能天気な顔を出すなw

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我が家は伊東市のゴミ回収で第5地区に属している。
第5地区の古紙回収日は毎月第2と第4の火曜日。
つまり直近は来週火曜の5月12日だ。
4年前の5月12日朝。
東京の家に2台のトラックがやって来て家財道具を根こそぎ奪っていった。
1年前の5月12日。
僕とカミさんは安キャリアの飛行機に乗って大分からこの家を見に来た。
そして今年の5月12日。
僕は忌々しいパンダと永遠に決別する。
さらば、勉強しまっせ引越しのパンダ。

時代 - 中島みゆき




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