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ぶらりごろりぱくり

義兄さんの幼馴染にシンちゃんという人がいて、名前が真一なのか、新次郎なのか、
はたまた信吉なのか伸太郎なのかは知らんがともかくシンちゃんなのだ。
で、そのシンちゃんが種鶏場という所へ勤め始めたらしく、種鶏場というのは僕も初めて
知ったのだがブロイラーのヒヨコになる卵。つまり受精卵を生産する所らしい。

シンちゃんが持って来てくれたのは双子の卵。
この場合「卵」と書くよりは「玉子」と書いた方がいいのか知れん。
又聞きの話だが、なんでも種鶏場では双子の玉子は全て検査ではじかれるばかりか、
従業員が無料で貰えるらしいのだ。この無料でってところは怪しい感じがしなくもないが、
検査によって双子が「奇形」として完璧に抜き取られるのは本当らしい。
素人が見ても一目瞭然で大きさの違いがハッキリと分かる。
奇形という言葉の響きは大変よろしくないが玉子自体にゃなんの問題もない。

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全部で5個貰ったんだが3個は目玉焼きにして食っちゃった。
当然と言えば当然なんだが殻を割ってから写真に撮ると双子かどうかが分からなくなる。
だから証拠写真の為に残りの2個はゆで卵にしてから2つに切ってみたw

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こんな美味そうな玉子をシンちゃんはプラスチックのコンテナに満杯貰ってきたそうな。
黄身の量が倍で口の中のモソモソ度も高いゆで卵を食いながら僕が考えたのは、
規格化という名のもとに生命の誕生すらも均一の基準で取捨判断をし、規格に合わない物を
「奇形」と称して排除してしまうのは、どこか中国共産党の一人っ子政策に通じるものが
あるんじゃないのか? なんて事だった。
一人っ子なら生かす。それ以外は生まれる以前に芽を摘み取る。
生まれた一人っ子に幸福な人生があるかというとそうでもない。
この世に生を受けた者すべてがブロイラーとして生涯を全うするのだ。
なんというか、それもまた共産党体制に似ていなくもないじゃんか?

最後は僕ら人間に食われてしまうとしても、せめて生まれる事無くゆで卵として役目を
全うした双子ちゃんの方が無為な苦痛を味合わないぶん幸せだったかも知れない。
魔女裁判の被告は誰もが、生きながら焼かれるよりも殺してから焼いてくれと懇願した筈だ。
ありがたくいただく。残さずにいただく。それが彼らへの供養なんだろうな。
黙祷。




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