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ぶらりごろりぱくり

スローライフとか、僕はそういう言葉の意味をよくは知らんけれど、
そういう言葉をもっともらしく弄ばなきゃならんほどに世の中はせわしいんだと思う。
何がそんなに忙しいのか、何をそんなに急くのか、
と言えばそれはきっと仕事とか、理不尽な規律とかなんだろうな。

早くしなさいとヒステリーを上げるママの雄叫びや、
どれだけ待たせるんだと卑小な権力を振り翳す上司や、
こんな事も出来ないのかと苛立つ師範などと無縁なネコたちには、
時間なんていう馬鹿げた観念は微塵も無い。
多分彼らの生涯は悠久の中に始まって悠久の中に終わるんだろう。

彼らは青草の陰で穴から顔を出すモグラをいつまでも待っている。
彼らは畑の盛土に隠れて小鳥が舞い降りるのをいつまでも待っている。
誰も彼らを急かさず、彼ら自身も自分を急いたりしない。
早くしなさい。早く食べなさい。早く着なさい。早く乗りなさい。
誰の為に急くのか? なんの為に急くのか? 僕にはよく分からん。

今日くつしたは掃出し窓から部屋の中へ入った。
でも、30秒くらいで飛び出て行った。
夜になって壁に開けたドアから入って来た。
でも、1分ぐらいで逃げ出して行った。

一昨日よりも昨日。昨日よりも今日。そして今日よりも明日。
一日30秒ずつ元の暮らしに慣れて行けばいい。
僕たち人間は、病や怪我を癒す時でさえ何かに急かされている。
スローライフなんて、演じるものではないんだろうな? と僕は思う。
いつか僕も、ネコのように生きてみたい。

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