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ぶらりごろりぱくり

さて6月。

「紙媒体」なんぞという言葉が普通に使われるようになってしまった昨今、
今日はゲラに鉛筆で付けた丸印を消しゴムで消すという作業をしたのだ。
小学生や中学生ならともかく、今時、大の大人が鉛筆だの消しゴムを使うことは
ほとんどないと思う。仕事で文字を書いている人も大抵はボールペンだろうし。

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しかしかつては当たり前だったこのゴシゴシと文字や線を消す作業だが、
これが実に原点回帰というか、道具を使う喜びやら愉しさを思い出させてくれるんだわ。
それはどこかスパナでボルトを緩めたり、ナイフでジャガイモの皮を剥くのに似ている。
ゴシゴシゴシって線を消して、ゲラの上に散らばったカスを手で払って、
ああなんて朴訥として優雅な作業なんだろか? と思ってしもたw
Deleteキーを中指で一叩きしておしまいの味気無さ。
怠慢の言い訳を便利と言い換えながら、世界はどこへ向かっていくんだろう?

今を嘆いたり今に目くじらを立てるのは老害の始まりなのか知れん。
僕は昨今の電気に支配された世界を嘆きも呆れも怒りもしないけれど、
実体の在るものを愛したり、実体そのものを手に入れることに価値を見出していた
時代に生きたことを幸福に思う。
スマホの新機種に狂喜する人々の心情も分からなくはないけれど、
紙と鉛筆と消しゴムの世界もなかなかのものだぜ。

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忠実に再現された猫ロボットじゃ嫌なんだよな。
病気をしても、言うことを聞いてくれなくても、いつかは死んでしまっても、
やっぱり本物の猫だから愛するのだ。
SKIN:Babyish-