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ぶらりごろりぱくり

5月12日はちょっと特別な日。
6年前に東京をあとにした日。
3年前にこの家を見に来た日。
世の中にはいろいろなことがあって、
その数え切れないぐらいのいろいろの中の、
ほんのひとかけらみたいなものが僕の生きる日々に関わってくる。
東京を離れたおかげで知ったことがあり、
東京に戻る気持ちを失くしたおかげで得たものもある。
大分へ行ったおかげで出会った6匹がいて、
その6匹のおかげで今は伊豆の山住まい。
空を見上げて飛行機雲に溜息をついて、
道端のミヤコワスレに溜息をついて、
窓の外を横切る鹿の家族に溜息をついたおかげで、
今の僕は前よりも少し開き直り、前よりも少しどうでもよくなり、
そうして前よりもだいぶ笑顔になったと思う。

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今だって日々の暮らしにそれほど楽しいことはないのか知れん。
けれど、楽しいことがなくても嫌なことが一つもないなんて、
それは素晴らしいことなんじゃあるまいか?
僕自身に楽しいことがなくても、
カミさんやネコたちが日々楽しければそれでいいではないか。
彼らが元気に笑っていれば僕もシアワセなのだと思う。
カミさんはともかくネコが笑うかどうかはさておき (´・_・`)

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そもそも僕の満足やシアワセなんてのは他愛のないもので、
たまに崎陽軒のシウマイを食ったり川崎住吉のくずもちを食ったり、
年に何回か信州辺りをドライブすればもうそれで十分。
あとは夫婦でちょこっと美味しいものを食べたり、
庭を走るネコたちと遊んだり、コツコツ集めた古いバイクや車をいじっていれば、
それでもう心満たされる安上がりな人間でしかない。

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5月12日が来るたびに僕はあの引っ越しの朝を思い出す。
東京の家に横付けしたトラックが家財道具一切を奪っていった日を思い出す。
でもあれで良かったのだ。
あの朝、パンダの絵が描かれたトラックがやって来て、
東京での暮らしを問答無用で木端微塵にしたからこそ、
今僕は庭の隅で1杯19円のブルックスコーヒーを飲みながら笑っている。
そして時々、あの頃の自分にこう言ってやりたくなる。
「ざまあみろ」と。

青春の影 - 財津和夫
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