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ぶらりごろりぱくり

三月の終わり頃にエリカが自分の子ではない子猫を育てていると聞いて、
ああ、元気でやっているんだなあと会うのを楽しみに国東へ出かけて行った。
ところがその子猫も、エリカも、もう半月近く姿を見せないらしい。
国東でもたらされる情報はいつも諸説紛々というか玉石混交というか、
要するに根拠不明で曖昧で不確定要素に満ちていることが多い。
この場合、半月ぐらいご飯を食べに来ないという話の「半月」が極めてアテに
ならない部分で、正確にはいったいどのくらいの期間姿を見せないのか不明だ。

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だけどいつもエリカと一緒にいた「ブチ」という高齢の雌は姿を見かけたし、
その他の野良仲間も皆見つけたけれど当のエリカがやっぱり見当たらない。
6年もの間、毎日カリカリを食べに来ていた不妊手術済みの雌猫がある日を境に
忽然と来なくなって半月も経つ理由は一つしかないだろう。
つまり、不慮の事故か病気かで命を落とした以外には考えられないと僕は思う。
義兄さんの言う「半月」がサービス精神に満ちたいつもの盛り過ぎ誇張だったとしても、
それが2日や3日の行方不明でないなら事態は楽観出来ん。

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ネコの場合、忘れた頃にひょっこり帰ってくる可能性も捨て切れんとは思うが、
それは安否を案ずる者の勝手な願望でしかない。
亡骸を見ないうちは死という事実を受け入れ難いけれども、
状況から考えればどこかで天に召されたと思って間違いないと思う。
いつか国東から「エリカ帰って来たよ」というメールが届くのを期待しながら、
僕はくつしたとしましまの顔を見て心の中で手を合わせる。
だけど生きていればいつか、どんな形でか命は潰えるものだ。
その時を嘆くばかりでなく、その時に至る過程を讃えようじゃないか。

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SKIN:Babyish-