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ぶらりごろりぱくり

一昨日だったか、くつしたの顎の下が血だらけだった。
喧嘩して怪我する場所とも思えないからたぶん自分で引っ掻いたんだろう。
触ろうとしてもあまり嫌がらないんで痛みはないのだと思う。

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僕はタクシーの中や狭い待合室で誰かと居合わせると、
沈黙の気まずさに息が詰まりそうになる。
だからといって話をするでもなく、話をしたいとも思わない。
僕が髪を切りに行く店の店主さんは話好きな人で、
一人でアレコレと楽しげな話を喋り続けてくれる。
だから僕は黙って「ハイハイ、ウンウン」と聞いているだけでいい。
精神的にとても楽ちん。
カミさんは無口な美容師さんの時は雑誌でも読んでいればいいんだよと言うが、
たとえ本に目を落としていても狭い空間の中で対人間の気まずさは拭い切れない。

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僕はネコの言葉を解さず、ネコも僕の言葉を解すまい。
だから僕が話しかけるときも一方的。彼らが何かを控えめに訴えるときも一方的。
狭い空間に居合わせても人間同士の時と違って奇妙な気まずさは微塵もない。
ネコたちは僕の時間を侵さず、僕の空間を侵さず、僕の感情を侵さない。
慌てず、騒がず、主張せず、駄々をこねず、穏やかな空気のようにいつもそこにいる。
ときどき眠りの合間に目が合って、「よう」と声をかけると「にゃー」と答える。
大あくびをして、そしてまたイビキをかいて夢の中。

けれど、なあネコさんたちよ。
怪我をした時や具合が悪い時だけはもう少し言葉巧みに主張してくれんか?
気づいたときは血塗れとか手遅れとか、そういうの心臓に良くないんだわ。

Nouela - The Sound of Silence
SKIN:Babyish-